久々に48グループの歌詞論を書こうと思います
このコラムは、あくまで筆者の私見であり、秋元康氏の意図や発言とは関係ないことをご承知おきください

チームS 2nd「手をつなぎながら」は、ご存知の通り、SKE48に初めて秋元氏が書いたオリジナル公演です

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そのラストに歌われるのが

『遠くにいても』

最後の曲でが終われば、今、劇場で同じ時間を共有しているアイドルとファンは、それぞれ、現実の社会に戻っていきます

それでも、僕たちの心はつながっている
空を見上げれば、今見ている空は、君の住む街と繋がっている…

まさにアガペー。ヲタクの淡い恋心を描いた曲です(…本当か?ww)

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ーー閑話休題ーー

この『遠くにいても』の歌詞には、ひとつ前のチームS 1st 公演「パーティーがはじまるよ」を踏まえた "仕掛け” がちりばめられています

それを語るため、まず初めに「パーティーがはじまるよ」公演の曲、『青空のそばにいて』の歌詞を拾ってみましょう

初演チームAの「パーティーがはじまるよ」は、いうまでもなくAKB48初の公演であり、姉妹グループも含めたすべての公演の「基本」です。研究生公演でもお馴染みですね💕

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48グループの“永遠の定番”にして、“原点”

これを杮落としにしたチームSは、48グループ直系の遺伝子を継いでいる、ということもできるでしょう

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AKB誕生とともに「公演」という名のパーティーは始まりました。メンバーとファンは、一時の祭りを思い切り楽しみます

けれど、いずれ別れの時がやってくる…

メンバーたちは、『桜の花びらたち』のように、ひとりひとり、次の夢を叶えるために卒業していくのです

これが、「パーティーがはじまるよ」公演の大まかな流れです。その、ラスト前に歌われるのが

『青空のそばにいて』

という曲です

別れゆくふたりが、過ぎた季節にサヨナラをする…そして「離れ離れになっても、ずっと見守っているよ」と優しく語りかける…そんな歌です


君とこの場所で出会って
空を見上げながら
白い雲のかたち 指さしては
名前つけ合った

(略)

青空のそばにいて
君があの街に行っても
今の切なさを 時々は ほら、思って…

青空のそばにいて
新しい季節の真下で
僕は手を翳し 眩しそうに
そう 微笑もう


冒頭の歌い出しと、1番サビのラストです
主人公が眩しそうに見上げるのは、もちろん、離れていってしまう「君」のことです

旅立つ「君」の成功を願っているからこそ、「僕」は、空の向こうにいるであろう「君」を眩しそうに見上げて微笑むのです

キラキラ輝いているであろう、未来の「君」を想う、切ない恋心ですね


「さよなら」は合言葉
溢れ出す頬の涙を
今日の思い出と 約束に
さあ 着替えて

「さよなら」は合言葉
いつの日か また会えるはずさ
だから その日まで別の道
今 歩き出す


これは二番のサビの歌詞です

「涙」を「思い出と約束」に「着替える」というフレーズは、制服を脱いで新しい服に着替えること=「卒業」の比喩でしょう

旅立ちを見送るのは辛いけど、笑顔でその背中を押してあげる…
ヲタたるもの、かくありたいですね😭
(辛いけど)

さて、これらを踏まえた上で『遠くにいても』を見ていきましょう❗️


<続く>